業務の一元管理と個別原価の把握に成功。
その結果、管理業務のスピードアップと高効率化が実現した。
●Vol.71 株式会社かんこう
年間の受注件数は800〜1,000件。その一つひとつが数ヶ月から数年という工期を要する。正確かつタイムリーに現場状況を把握するために必須だったのが、プロジェクト原価の管理。
勘定奉行[個別原価管理編]の導入によって、入札から経理業務までのスムーズな一元管理が実現した。
膨大な情報をどう管理するか。
当社の主な事業内容は、飛行機を使った航空測量事業、鉄道・道路・橋梁などを扱う建設コンサルタント事業です。近年はそれらの業務に加えて、土壌汚染の調査・浄化事業や駅務機器のメンテナンスおよびシステム開発など、社会のニーズに応じて多種・多様な事業を展開してきました。その中でも当社の最大の強みは、航空測量から建設物の設計までを一貫して手がけることが出来る天。企業としての総合力を生かして、昭和28年の創業以来、官公庁様、鉄道会社様をはじめ多くのお客様との間に信頼関係を築いてきました。
当社が1年間に受注する物件の件数は、およそ800〜1,000件。しかもそれら一つひとつの工期は、短いもので3・4ヶ月、長いもので数年にもおよびます。その全てを正確に管理し、物件ごとに採算を把握していくことは、大変な労力を求められる作業です。当社では以前、それらの管理業務を行うためにオフコンを使ってきましたが、長い時間をかけてカスタマイズを加えてきたオフコンは、当社の業務慣習に即したデータを取り出すことができる一方、使い方を特定の形に限定されるというデメリットを持っていました。また、受注前の物件情報管理から受注後の現場管理、経理業務をそれぞれ単体の業務として管理していたため、管理自体に膨大な手間を必要都市、情報が充分に活用されていない状況でした。そのような状況に加えて、使用していたハードのサポート期間も終了。システムの早急な見直しを迫られた当社は、2003年より新しいシステムの検討を開始したのです。
「プロジェクト原価」管理の必要性。
導入に際して当社がもっとも重視した天は、「プロジェクト原価」の管理です。当社の業務は前述のように数多くの物件を長い期間にわたって管理しなければならず、そのため担当者は現場が進行していく中で現状を常にタイムリーに把握しておく必要があります。その中でもっとも大きな要素が、社員および協力業者の人件費等。しかも管理者は複数の現場を管理しているため現場ごとに人件費を別個に管理する必要があり、そのことが原価の把握をさらに困難なものにしていました。また以前は業務システムでの原価の把握は一部の経理担当者のみが行っており、現場の管理者や担当者は自分の現場で発生した原価を、必要に応じてその都度経理担当者に問い合わせていました。そのような方法で行った管理には、どうしても精度的に限界がありました。
それらさまざまな問題をクリアできる原価管理システムはないのだろうか。そんな要望に回答を示してくれたのが、OBCさんの「勘定奉行新ERP[個別原価管理編]」でした。このシステムを導入した結果、当社が業務を進めていく上で必要不可欠な原価のタイムリーな管理と高い精度での把握が可能になりました。そしてもう一つの大きな課題だった、物件の入札から最終的な経理業務までのスムーズな一元管理も、建設業向けの原価管理システム”アイキューブ本家シリーズ”に各担当者が入力できるようWebによるカスタマイズを加え、最終的に勘定奉行へ仕訳データを連動させることで、見事実現させることができました。その結果、受注前の物件情報を受注後の個別原価管理につなげ、その後の経理業務へと移行するという一連の業務が、ひとつの流れの中で行えるようになったのです。
導入から1年。さらなる有効活用をめざす。
それ以外にも、今までの原価の管理を専門に行ってきた2名の社員が他の業務に専念できるようになったことや、一カ所で行っていた作業の手間を分散させたことで月次の決算が以前より2日程度早くなったこと、さらに担当者全員が日常的な形で原価に関する情報に接するようになった結果、社員一人ひとりのコスト意識が高まったことなど、奉行シリーズ導入は当社にさまざまなメリットをもたらしてくれました。
当社では今回のシステム切り替えに際し、一部のデータの取り扱いを除いてできるだけカスタマイズを行わない方針を貫いてきました。その目的は業務の進め方を複雑にせず、極力シンプルにすることです。仕事の進め方が大きく変わったことに当初は戸惑いを見せていた社員も、実際に使っていく中で奉行新ERPの便利さを実感するようになり、1年が経った今では以前とは見違えるほど、業務の進行がスムーズになりました。しかしまだまだ完全とは言い切れません。それぞれの社員が自然な形でこのシステムを自分の業務に取り入れ、その結果を各自の意思決定に生かすことができた時が、奉行新ERPを本当の意味で使いこなせた時だと思います。今後は必要に応じてカスタマイズを加えながら、さらに高いレベルでシステムを活用していきたいと考えています。(文中敬称略)